箱入り猫とOh坊さん

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zoom RSS 『あの歌がきこえる』

<<   作成日時 : 2009/09/10 07:47   >>

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 重松清の比較的新作。
 彼自身の自伝的青春小説。

 かなり本気で共感してしまって、泣けるという以上のものがあり。

 重松さん、もう少しお兄さんかと思いきや、年齢差は3つ。ちょうど、重松さんが大学に入った年に、私は高校へ。
 重松さん、出身はおきゃーまだけど、育ったのは山口。
 方言もちょっとだけ似ているところがあり(広島弁を思い出させるって方が近いけれど)、臨場感たんまり。

 シュウはきまじめだけど、いじっぱりな中学生(裏書きより)。そのシュウと友人たちが高校に入り、そして卒業して次のステップへと進むところで話は終わる。

 田舎の町に住み続けることの閉塞感。
 一度植え付けられたイメージを覆すことの難しさ。
 都会へのあこがれと、都会に住むことの不安感。

 町で出会って怖いのは工業高校の学生(偏見と思われるかもしれないが、事実だった)。
 
 まさに、私が高校の時に感じていたことに重なるんだよ、これが。
 私は、家を出たい思い一筋で県外の大学への進学をねらっていたけれど、結局、父親が病気になり断念。
 シュウは親の理解を得て、東京の早稲田を目指すけれど、ただでさえ家計的にぎりぎりのところに危機が訪れて・・・大学進学が危ぶまれ、そして・・。
  
 でも、そうなんです。そこまでして親は子どもの希望を叶えてやりたかったんですよ。
 私は入院中の父に言われた。
 「元気だったら借金してでも県外の学校に行かせてやりたいけれど、このままじゃその自信がない。申し訳ないけれど、地元の学校に行ってくれ」

 返す言葉がなかったな・・・。

 「おふくろが実家の親戚をまわって早稲田の入学金を用意してくれたのを知ったのは・・・」
 シュウは、親の説得もあり早稲田に進むのだけど、その陰には頭を下げ、借金をする親の思いがあったんだなー。

 これって、地方都市の現実だよね。
 経済的には余裕がない、でも、このまま町に残っても閉塞感に首を絞められる。

 そしてその閉塞感は、時折大人も体で示す。家族を捨てて逃げる人もいる。

 この本は、各章にその頃聞いていた曲のタイトルがつけられ、その曲がなにげなく話の中に織り込まれているところも楽しめるところ。
 あこがれの彼女にあわせて、ユーミンの「悲しいほどお天気」を買い、なんで天気が悲しいんだと悩むシュウ。
 Destinyを聞いて、どうして一度別れた男性と、サンダル履きのときに出会うと大事なのかわからないシュウ。

 でも、彼がつまづき、そして前に進む中で、サンダル履きはイヤだなって思うんだよね。

 ちょっと興奮して書きましたが、また落ち着いたら振り返りたいモノ。もっともっと読ませる小説だと思ったので。
 

 
 
 

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内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。ジュリーの「あなたにワインをふりかけ」を
BGMにしながら、ブログ観てます。

私の最近読んだ本は、「娼年」(2001年7月、集英社) -
第126回直木賞候補作品 です。
それが、どうした!?といわれても、返す言葉が見つから
ないけどねぇ。

 
つうつう
2009/09/20 22:33

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